なんでピュアガールのネタに気付いたか

さて、ピュアガールでは単なる編集長との雑談に付き合ってるつもりが、その裏でとんでもないほど絵描きさんの人生に干渉してしまったという一例を出した。
俺の目からは、意思決定が
俺の提案⇒編集長の「いいね」
しか見えてなかったのだ。モテモテ王国もびっくりの、ものすごいシンプルな意思決定機関だ。しかもICQでのチャットですべて完結したから、認識としては本当に雑談だった。
 
たぶんピュアガール内部ではそれ以外の意思決定もあったんだろうけど、どうせ俺が推薦するのは月に1人か2人だったのでその他は知らない。
さすがにビジュアルシンジケート掲載の10人全部探せって言われてたら、そりゃ俺も金くれって言ってたと思うけど。
 
さて、この前後で俺は『企画屋稼業』という本を出したわけだが、この本のイラストレーターは全員べらぼうに絵が上手かったコトを覚えてる人はいるだろうか?
実はコレ、ゾルゲさん以外は全員自分でピュアガールに推薦したイラストレーターさん達だったわけだ。『俺みたいなボンクラのド素人が見ても明らかに絵が上手いと分かる人』なんですよ、あの本に載ってた人は。
誰がどう見ても上手い絵を描ける人、その人にしか描けない絵を描く人、構図が常人離れしてる人、5枚に1枚は神の一枚が描ける人……というのをセレクトして割り振った。
この頃には、なぜか俺はライターとしてだけではなく「ものすごく上手い絵描きをただでいくらでも紹介してくれる人」という噂が流れてたらしい。実際、俺の絵描き系の知り合いを全部カっぱごうとしてしくじったバカ編集もいたしな。1人そのデタラメを真に受けて絶縁したのはつらかった。
 
まあとりあえず、ある種の同人ゴロ活動を商業誌を舞台にかつ無料でやってたのがお気に召さなかったのか、同人ゴロ激怒。まあいいや。
 
手続きはいつもシンプルで、「あー俺ABCってモンなんスけど、ピュアガールというエロゲー雑誌の編集長さんから連絡行くかもしんないけどいいっすか?」という連絡をすることでつながりが始まった。しかし、どうしても事情があって俺が連絡できない人は、本人から連絡というパターンだった。
 
……さて、今の俺だったらこういう問題を作りたい。
「こういう俺の立ち位置と意思決定のプロセスの中で、どこをどうやったらマネタイズできるでしょうか?
まあ、目先の本とゲームを作るのにそんなもんにこれっぽっちも興味が無かったから(仕事にしてたら単なる編集ライターになってつまらんかっただろうし)こそやれたことだ。
 
最後に、なんで本当の意味でピュアガールの顛末が完全に理解できたか。
それは、編集者は当たり前として(そもそもコレ自体がおかしかったんだけど)イラストレーターのエージェント業をやってるヤツ自体が、明らかに俺が声をかけられる絵描きさんたちよりレベルが低い、という事実を目の当たりにしたからです。
そいつが持ってるサンプルがあまりにも見すぼらしいので、俺がピュアガールの編集長に推薦して掲載された(=俺も推薦者の責任としてたいてい一報をいれて知り合いにはなってる)ビジュアルシンジケートのページを切り取ってファイリングして渡したら、そのハゲは見る見るうちに顔面の色が変わった。
 
そこで、こんなみすぼらしい弾しかなくても絵描き仲介業ってできるんだ……と気付き、俺がいったいナニをやらかしてきたのかを完全に知るところになったわけです。