この1年でやったこと

去年の今日は、金曜日だったか。寒風吹きすさぶ屋上にて
俺「寒いな」
B「ええ、寒いですね」
俺「この後どうすんの?」
B「このまま大阪に直帰ですよ」
という会話をしていた。
後付けで考えれば建物が揺れてた気もしなくはないが、強烈な浜風のせいだと思っていた。
 
そして、朝に撮り貯めていた魔法少女まどかマギカ』の10話を見た興奮覚めやらぬまま、ああ来週はどうなるんだろうと思いつつ車を運転していたところに、おふくろから
津波が来るから今すぐ迎えに来るように」
という連絡を受けることになった。
 
オヤジに連絡しようとするも、電話は不通……実にその後、4時間ほど誰にも電話が通じなくなった。
家にこもりきりになっていたオフクロを車に乗せて海抜10メートルの地点に避難、PCでいろんなサイトを調べるうちに自宅の海抜が家の屋上地点でたった10メートルしかないことにショックを受けたり、東北が真っ黒い波に押しつぶされ仙台が炎の海に包まれてる様を見てるのに、くだらないもの(枕とか布団)を取りに戻ると言い張るオフクロを見て
(ああ、この人は本当にヒステリーを起こして自滅するタイプだな。もう治らないけど)
と悟ったり、防災警報が鳴り響いてるのにニヤニヤしながら無人の港町(地元の住人は全員逃亡)を歩いてる頭の悪そうな観光客バカップルに避難を促したりしてたもんだ。
 
「地元の人間は全員逃げたのにアンタら何やってんだ、とっとと高いところに避難しろ」
 
と、こういう危機意識皆無のヤツとか俺みたいなヤツとかが真っ先に死ぬんだろうなぁ、とゲンナリしながら言ったもんだった。
当然、無人の港町で人を見かけたってのは、もちろん俺がくだらないものを取りに戻る羽目になったということだ。
 
……さて、この「くだらないもの」を取りに戻るのに心底辟易した俺は、
1.今後は、こんな合理性に欠ける真似は二度としない
2.もし次に緊急時に合理性に欠けることを言ったら、議論の時間がもったいないので(言うんだ、これがまた。思い知ったけど)躊躇なく見捨てる
3.そもそも「くだらないもの」は、最初から1組余計に避難場所に用意しておく
という3つの方針を固め、避難場所に2つの防災用具を用意した。
 
<防災用具の中身>
・布団3点セット
・毛布
・Lサイズのジャージ上下
・雨合羽
・全部同じ模様の靴下5枚
・タオル5枚
・乾パン30日分
・乾パンにつけて食べる用のカレー及びジャム
・水タンク(折りたたみ式)
チキンラーメン6食
ブドウ糖
・軍手10枚
 
小物を布団3点セットに包み、布団圧縮袋の中に真空状態にして封印したものだ。これが2つ。
乾パン30日分ってのは、1袋1食になった自衛隊用乾パンが3袋入ったものが30個入ってる。家族だけで30日分もいらないけど、近所の人に分けるとたぶん3日分ぐらいはもつという考えからそうしている。

この防災用具は2個組むのに3万円ぐらいかかったが、置いてあるとないのとでは安心の度合いが違うな。